1.はじめに
「最近、体が硬くなった気がする」
「肩や腰のコリがなかなか取れない…」
そんな悩みを感じていませんか?
その不調、もしかしたらストレッチ不足が原因かもしれません。
ストレッチは、誰でも簡単に始められるセルフケアのひとつ。正しく行うことで、柔軟性の向上はもちろん、血流改善やケガ予防、リラックス効果まで得られる万能な健康習慣です。
この記事では、理学療法士の視点から「ストレッチの正しいやり方」「避けるべきNG行動」、そして「おすすめストレッチ3選」までわかりやすく紹介します。
今日から使える知識ばかりなので、ぜひ参考にしてみてください!
2. ストレッチとは?
ストレッチとは、筋肉や関節を意識的に伸ばす動きのこと。筋肉を適切に伸ばすことで、柔軟性が高まり、動作がスムーズになるなど、さまざまなメリットがあります。
大きく分けて、ストレッチには以下の2種類があります。
▶ 静的ストレッチ(スタティックストレッチ)
動きを止めた状態で、じっくりと筋肉を伸ばす方法。運動後や入浴後、就寝前におすすめです。
▶ 動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)
身体を動かしながら筋肉を伸ばす方法。スポーツ前や朝の目覚めにぴったりです。
3. ストレッチの効果
ストレッチには以下のような効果が期待できます。
① 血行促進
筋肉の緊張がほぐれ、血流が改善。冷えやむくみの解消にも役立ちます。
② 柔軟性向上
筋や関節の可動域が広がり、転倒やケガのリスクを軽減できます。
③ リラックス効果
副交感神経が優位になり、心身ともにリラックス。睡眠の質向上にもつながります。
【参考文献】
Nagai, N., et al. (2013). Effects of static stretching on muscle stiffness and blood flow. Journal of Physiological Anthropology, 32(1), 15.
4. 効果的で安全なストレッチのやり方
ストレッチをする際は、「何のために伸ばすのか」と「どれくらい伸ばすのか」が大切です。
以下のように、目的に応じて伸ばす時間を調整することで、より高い効果が得られます。
目的別:ストレッチの持続時間と効果
注意点:やりすぎ・間違ったストレッチは逆効果
反動をつけるストレッチ(バリスティック)は、筋繊維を傷めたり、かえって筋肉が防御的に硬くなることがあります。
60秒以上の長時間ストレッチは、筋への血流が低下し、阻血状態になる可能性も。
安全なストレッチのコツ
• 痛気持ちいい範囲で止める
• 反動をつけず、持続的に伸ばす
• 呼吸は止めず、ゆっくり深呼吸
• 20〜30秒を目安に、片側ずつ丁寧に
5. 理学療法士おすすめ!ストレッチ3選
ここからは、特に日常生活で硬くなりやすい部位に対して、効果的なストレッチを3つ紹介します。
① 大腿四頭筋のストレッチ(太もも前)
効果:姿勢改善、腰痛・膝痛予防、歩行安定
やり方:
1. うつ伏せの状態で、曲げた方の足首を同じ側の手で持つ
2. かかとをお尻に引き寄せ、太もも前を伸ばす
3. 20〜30秒キープ、反対側も同様に

ポイント:
クッションを太ももに敷くと太もも前が伸ばしやすくなる。
② ハムストリングスのストレッチ(太もも裏)
効果:腰痛予防、骨盤の安定、歩行力アップ
やり方:
1. 床に座り、片足を前に伸ばす
2. 背筋を伸ばし、ゆっくりと体を前に倒す
3. 太ももの裏が伸びるのを感じながら、20〜30秒キープ
ポイント:
腰が丸まらないように、背中をまっすぐ保ったまま倒しましょう。
③ 大殿筋のストレッチ(お尻まわり)
効果:腰痛予防、骨盤の安定、歩行力アップ
やり方:
1. 椅子に深く腰掛ける
2. 一方の足をもう一方の太もも(膝上あたり)に乗せる
3. 状態を前に倒してお尻が伸びるのを感じながら、20〜30秒キープ

ポイント:
背中を丸めず、腰を伸ばしたまま状態を倒すようにしましょう。
6. まとめ
ストレッチは、正しい方法で行えば毎日の健康づくりに欠かせない習慣です。
目的に合った時間とやり方で、安全に続けていくことで、身体の軽さや調子の良さをしっかり実感できるようになります。
まずは1日1つ、気になる部位から始めてみましょう。
あなたの「一生モノのカラダづくり」、今日がその第一歩になるかもしれません。
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